みなさんは葬儀に臆することなく参列できていますか?
そう問われると、自信があると答えられる人はどれくらいいるでしょうか?
かくいう私も何度機会を重ねても、不安になりながら参列している内の一人です。
見よう見まねでの参列をそろそろ卒業しませんか?
今回は葬儀に参列するまでのマナー全般についてお話したいと思います。
※葬儀に関しては宗教や宗派、また地域によっても大きな違いがあります。ここで扱っている内容は一般的な仏式を中心にご紹介しています。実際に参列される際は、宗教や宗派、地域ならではの作法、マナー等確認してからの参列をおすすめします。
突然の訃報の連絡。慌てずにまずはお悔やみの言葉を伝えよう
「夜分遅くにすみません。本日、〇時、〇〇が亡くなりました・・・。」
突然の訃報の電話。
もちろんのこと前触れもなくやってきます。
近しい間柄であれば、昼夜問わず臨終後すぐに連絡が入ることでしょう。
訃報の電話には二つのパターンが考えられます。
- 親族・近親者、縁の深い方への臨終の連絡
- 通夜・葬儀の日時が決定してからの連絡(親族・近親者以外)
ご臨終の際に立ち会えなかった親族や近親者、縁の深い方へは、まず、亡くなったことを伝える訃報の連絡が入ります。
→親族・近親者、縁の深い方への訃報連絡
ご遺族側→親族・近親者(あなた)
「夜分遅くに申し訳ございません。〇〇でございます。本日、〇時に〇〇が〇〇〇〇(病名など)のため亡くなりました。その為お電話させていただきました。」
親族・近親者(あなた)→ご遺族側
「お辛い中、お電話をいただきましてありがとうございます。ご迷惑でなければ、できるだけ早くお伺いしたいのですが、伺ってもよろしいでしょうか?」
このように通夜・葬儀の日時が決まる前の電話を受けた場合、親しい間柄だとしてご遺族が駆けつけて欲しいと思われている場合が多いです。お悔やみの言葉を伝え、弔問に駆けつけてよいかを確認してから駆けつけるようにします。
→訪問を断られた場合
親族・近親者(あなた)→ご遺族側
「お気持ちも考えずに申し訳ございませんでした。この後の日程はお決まりでしょうか?」
(ご遺族側返答後)「宗教や宗派も教えていただけますか?」
ご遺族も混乱や取り込み中のため、断られる場合もあります。
その際は配慮がなかった旨を一言謝り、通夜・葬儀の日程等を確認するようにしましょう。
通夜・葬儀の日程、宗教・宗派を確認し、親しい間柄であれば通夜と葬儀両方に参列します。
[ここがポイント]
宗教や宗派により儀式の方法が異なるため、宗教・宗派は確認しておくと安心です。
【通夜前の弔問。注意すべきポイント】
★通夜前に弔問できる人は限られます
■弔問できる人…親族や近親者、親しい間柄
この場合注意したいのが、故人との関係。
駆けつけた方がよいとされるのは、親族や近親者、親しい間柄でも特につながりの深い間柄の場合のみです。
お通夜前の弔問は、ご遺族も慌ただしくしている最中であるので基本的には控えるべきであると言えます。弔問の際に弔問客の相手をしなければならなくなり、手間をとらせてしまうことになるからです。行くべきか悩むのであれば、通夜・告別式の両方に参列する選択が賢明であるかもしれません。
■上記の場合でも弔問しない方がいいケース
急死や死因など事情がわからない場合は弔問に行くことは控えましょう。
故人が子供であった場合も同様です。この場合、子供を連れて行くのはもってのほか。連絡がない限り、出向かないことは遺族への思いやりでもあります。
■服装のポイント
通夜前の弔問では喪主やご遺族よりも服装の各を落とすことがマナーですので喪服は着ません。必ず平服にします。服装は、基本そのままで構いませんが、派手なものは避け、地味な色の服にします。また、ジーパンや汚れた服装などは避けましょう。アクセサリーなどの装飾品は外し、化粧も薄くしましょう。
■持参してはいけないもの
香典や供物は持参しません。
なぜなら、予め用意されていたようにとられることからマナー違反とされているからです。
■弔問後はすぐに失礼する
ご遺族は忙しいので弔問の際は霊前の線香を上げたら長居はせず、すぐに失礼しましょう。
また、22時以降の場合は遠慮した方がよいとされています。
→通夜・葬儀の日時が決定してからの連絡(親族・近親者以外)
ご遺族側→あなた
「夜分遅くに申し訳ございません。〇〇でございます。本日、〇時に〇〇が〇〇〇〇(病名など)のため亡くなりました。通夜は○時、告別式は翌日○日○時から○○(場所)で行いますので、取り急ぎお知らせいたします」
突然の訃報に驚きを隠せないかと思いますが、ここは冷静に以下の事項を確認しましょう。
- 亡くなられたのは誰なのか、関係性とフルネーム
- 喪主は誰か(フルネーム)
- 通夜、葬儀の日時と場所
- 宗教、宗派
あなた→ご遺族側
「お辛い中お電話をいただきましてありがとうございます。この度はご愁傷様でございます。喪主様のお名前、宗教や宗派がおわかりでしたら教えていただけますでしょうか?お手伝いできることがあれば遠慮なくおっしゃってください。」
ご遺族側から直接連絡がある場合は、あなたが故人と親しくしていた関係であるということですから、お手伝いを申し出ると良いでしょう。会社の上司、同僚である場合も同様です。
ご遺族側は取り込み中のため、死亡の件だけを手短かに伝えられると思います。この時、死因などを聞いて話を長くすることは避けましょう。
また、自分が連絡すべき役割と判断したら連絡をかってでましょう。
通夜・葬儀の連絡がない場合はどうすればいい?
通夜・葬儀の案内連絡がない場合というのは実際多のではないでしょうか?
地方紙のお悔やみ欄で訃報を知り、葬儀の日程を知ったという方も多いと思います。
人づてに聞いた場合など、参列するべきか迷うことは誰しもあるでしょう。
葬儀が家族葬であるか一般葬であるかは参列の判断基準のひとつでもあります。
- 家族葬→ご遺族側からの連絡があった場合のみ参列。
- 一般葬→葬儀の案内が公にされていれば故人との関係性で判断し参列。
訃報の連絡の記載はあったが、葬儀の案内がなかった場合は参列を控える。
通夜または葬儀参列の判断基準としては、下記の内容を意識するとよいでしょう。
- 通夜→遺族を慰めるための儀式
- 葬儀→故人とのお別れに重点をおいた儀式
故人とはつながりがあるが、ご家族とは面識がないなどの場合は告別式に参列されるといいでしょう。遺族側ともつき合いがあるのであれば、通夜へ参列してもよいかと思います。
連絡がなかった場合は個人の判断に委ねられることになります。
悩むのであれば、遺族側に通夜の日程を確認してみましょう。
教えていただけた場合は参列して良い場合であると言えます。
弔問するかしないかを決めたら、次は弔問する際のマナーになります。
ですが、その前に都合がつかず弔問、参列できない場合にしておきたいマナーについてお話したいと思います。
やむを得ず欠席。失礼のない弔意の表し方
できる限り都合をつけて、通夜か告別式のどちらかに参列できればよいですが、訃報というのは突然にやってくるものです。
調整がきかず参列することができなくても無理はありません。
その場合は失礼のないよう、きちんとしたマナーを心がけて弔意を表したいものです。
代理人は立てられないか?
親しい関係であった場合など、できるかぎり都合をつけて参列したいものです。まずは、代理人を立てられるかどうか調整してみましょう。代理人を立てられた場合でも、あなた個人からの弔電を打っておきましょう。
【代理人として適切な人とは】
・夫の代理→妻または子供(問題のない年齢であれば)
・会社の場合→同僚
【代理出席の注意点】
・出席できなかった本人と故人との関係を説明し、自己紹介をする。代理で来た理由を簡潔に伝え、通夜や葬儀、告別式などに参列が可能な場合は伝えておく。
・記帳の際は代理人名ではなく、弔問・参列できなかった本人の名前を書き、名前の下に「代」と書く。(妻が代理できた場合は「内」と書く)
・会社関係の代理であれば、出席できなかった本人の部署名、役職名も書いておく。
・香典の表書きは代理人名ではなく、弔問・参列できなかった本人の名前を書く。
受付では以下のようにお悔やみを言って香典を渡すとよいでしょう。
あなた→ご遺族側
「この度は誠にご愁傷様でございます。〇〇会社でお世話になっておりました〇〇の妻の〇〇でございます。本人が体調を崩しているため、私が代理で参りました。◯◯も大変悲しんでおります。この度のこと、心からお悔やみ申し上げます。」
欠席の返事をする
あいにく代理人を立てることができなかった…。
その場合必ずやらなければならないことは、欠席の返事をすることです。遺族側で通夜振る舞い(通夜で振る舞われるお食事)や精進落とし(初七日法要後のお食事)といったお料理の準備などをしている場合もあるので、とても言いづらいことかと思いますが、欠席の連絡はしておくべきです。
その際は、以下のように伝えるとよいでしょう。
あなた→ご遺族側
「やむを得ない事情で、お通夜(葬儀)にはお伺いすることができません。後日あらためてお参りさせていただきます」
弔電を送る
参列できない際のマナーとして必ずやっておかねばならないこと。
それは弔電を打つことです。
弔電を送ることは参列できないという伝達の意味も含みます。
ですので、通夜・告別式が始まる前に間に合うよう送らねばなりません。
葬儀開始2時間前までには届くよう手配をしましょう。
【主な弔電会社】
・D-MAIL(NTT東日本)
インターネットから簡単に申し込みができるNTT東日本の電報申込みサービス
・VERY CARD
急な訃報にも安心の全国物流ネットワーク。全国即日配達可能です。
・e-denpo
低価格で即日配達の電報サービス。豊富な文例と台紙が揃っています。
香典を送る
弔電とは別に香典を送ります。
香典でまず、気をつけたいことは薄墨で書くこと。(地域によっては薄墨の習慣がないところもあります)
香典は不祝儀袋に入れ、初七日までにお悔やみの手紙とともに現金書留で送ります。
現金書留の封筒は通常サイズとは別に大きめのサイズのものがあるので、そちらを選びましょう。
香典の表書きは49日法要の前は「御霊前」、49日法要後は「御仏前」となるので注意が必要です。(地域により35日法要の場合もあるので確認しましょう)
>これが正しい香典のマナー
また、参列される方に預けられる場合は預けてもよいでしょう。
【お悔やみの手紙 ここがポイント】
・黒のボールペンで、白い便箋に縦書き
・弔事が重なることを避ける意味で、二重封筒ではなく一重の封筒(便箋も二枚にならないよう一枚でおさまるように)
さて、香典についてのこと、気をつけるポイントがわかったかと思いますが、
肝心なのは手紙の文面。
何を書けばいいのかわからないといった方は下記の文例を参考にしてみてください。
【お悔やみの手紙 文例】
「○○様のご訃報に接し、ただただ驚いております。
ご家族のお悲しみはいかばかりかとお察しいたします。
すぐにお参りに伺えず、誠に申し訳ございません。
些少ながら、ご香料を同封させていただきました。
御霊前にお供えくだされば幸いに存じます。
謹んでご冥福をお祈りいたします。」
後日、改めて弔問に伺う
遠方でなければ、後日改めて弔問に伺いましょう。
その際にはご遺族へ事前に確認するようにして、突然の訪問は避けます。
あなた→ご遺族側
「ご葬儀の際は、やむを得ない事情がありお伺いできず、誠に申し訳ございませんでした。ご都合がよろしい時に弔問に伺いたいのですが、ご都合をお聞かせ願えますでしょうか?」
このようにご遺族側のご都合を伺ってください。
先方がお忙しいようであった場合は、日を改めるようにする配慮も必要です。
後日、弔問に行くことを前もって決めているのであれば、香典を送らず、当日持参しても構いません。
日程が決まったら弔問に伺う際のマナーについて確認しておきましょう。
【服装のマナー】
葬儀を終えられたご遺族にとって葬儀を思い出させる喪服はNGです。
派手ではない地味な色合いの普段着で大丈夫です。
男性ならジャケットやスーツ、女性なら地味な色味のスーツやワンピースでOKです。
アクセサリーなどもはずし、お化粧も濃くならないようにしてください。
ジーンズや汚れた服装などは避けましょう。
【持ち物や挨拶でのマナー】
香典をお渡ししていなかった場合は香典を持参します。(香典の表書きは四十九日前であれば御霊前、四十九日以降は御仏前です)
手土産は持参しなくてよいですが、供花や供物(故人が好きだったものなら尚良いです)を持参するとよいです。
供物ののし紙の水引は、結び切りを選 びます。
あなた→ご遺族側
「この度はご愁傷さまでございます。ご葬儀の際は、やむを得ない事情がありお伺いできず、誠に申し訳ございませんでした。わたくしは〇〇会社でお世話になっておりました〇〇 と申します。ご生前は○○さんには○○○○のことなどで(お世話になっていた事柄などを述べる)大変お世話になっておりました。この度のこと、心からお悔やみ申し上げます。」
ご遺族は葬儀を終えたばかりなので負担にならないよう、話は長くなりすぎないようにしましょう。
「お力になれることがありましたら、なんなりとお申しつけください。」
と伝えるとよりよいかもしれません。
これが正しい香典のマナー
さきほど、香典について少し触れました。
香典は表書きや金額で悩む方も多いと思いますので、さらに詳しくご紹介したいと思います。
香典の相場の目安は?
【親族の場合】
両親 |
兄弟姉妹 |
祖父母 |
親戚 |
3万円〜10万円 |
3万円〜5万円 |
1万円〜5万円 |
3千円〜3万円 |
【仕事関係の場合】
勤務先の上司 |
同僚 |
取引先 |
3千円〜1万円 |
3千円〜1万円 |
3千円〜1万円 |
【その他】
友人・知人 |
近所の方 |
3千円〜1万円 |
3千円〜1万円 |
金額はご自身の年齢でも異なります。幅を持たせているのはそのような意味を含むものと思ってください。20代と40代であれば倍の金額と考えてもよいでしょう。
お札の入れ方にも注意をはらいましょう。
お札は新札を避け、向きを揃え顔が書いていない裏面が中袋の表側に来るように入れます。
■中袋
【表面】
中袋の表には中央に金額を書きます。金額は漢数字で書きますが、以下の漢数字は大字と言われる漢字に直します。
一 → 壱
二 → 弐
三 → 参
千 → 阡
万 → 萬
【記入例】
金壱萬円(一万円の場合)※「也」は不要です。
【裏面】
裏面には左下に郵便番号・住所・氏名を書きます。
■表書き
香典の表書きは「御霊前」を選べばまず間違いありません。
四十九日後は仏になるということから「御仏前」。
※浄土真宗は「往生即成仏」の考えですので、通夜・葬儀の際でも「御仏前」を用います。
【代理の場合】
代理で参列する場合には、フルネームの左下に「代」と小さく書き添えます。夫の代理で妻が参列の場合は「内」と書きます。
【連名の場合】
3名までなら右から目上→目下の順で列記します。
4名以上は代表者名を書き、その左に外一同と書いておきます。
※上記は仏式です。神道やキリスト教は異なりますので注意してください。
さて、話を通夜・葬儀に参列する際の話に戻しましょう。
葬儀に参列する際気を付けたいマナー。数珠や焼香など、きちんと知っていますか?
みなさん、葬儀に落ち着いて参列することができていますか?
突然の訃報にも慌てないよう、喪服や持参するべきものは普段から用意をしておき、基本的なマナーを身につけておきましょう。
【服装のマナー】
基本的にブラックフォーマルを着用。
男性は、ブラックスーツでダブル、シングルどちらでも大丈夫です。白のワイシャツに無地の黒のネクタイを着用します。靴は金具のないもので黒を選びましょう。
女性は、肌みせない黒のワンピースやスーツ。ストッキングと靴は黒を選びましょう。アクセサリーは結婚指輪以外は厳禁ですが、真珠のネックレスは「涙の象徴」と言われていることもあり、身につけてよいものとされています。色は白・黒・グレーを選びましょう。
冬場のコートですが、葬儀場に入る前に脱ぐようにします。毛皮や革などのコートは殺生→死を連想させるため避けましょう。
【持ち物のマナー】
・香典
香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参しましょう。(香典の表書きは「御霊前」とすればどの宗教でも使えます。水引きは結び切りのものを選びます )
気をつけたいのが袱紗から香典を出すタイミング。手渡す直前まで袱紗に入れておき、その場で開いて香典だけを手渡すようにします。
・数珠
数珠は魔除けや厄除け、お守りの意味があります。葬儀の際は数珠はできるだけ持っていきましょう。数珠の数は煩悩を除く意味として108個あるのが正式です。よく市販されている少ない数のものは略式でどの宗派でも使用できます。数珠は貸し借りはしてはいけないとされているので注意しましょう。まずは略式のものでよいので一本購入しておくと安心です。
数珠は房を下にして常に左手に持ちます(長い数珠の場合は二重にします)。合掌の時は親指を外し両手にかけます。焼香の際は左手にかけて親指で軽く押さえ右手で焼香します。気をつけたいこととしては数珠は、手から離して椅子や畳の上には絶対置かないことです。
【お焼香のマナー】
お焼香の作法は会場に応じて立礼焼香、座礼焼香、回し焼香3種類あります。
最近は葬儀場の椅子式の場合が多く、立礼焼香が主流です。座礼焼香は会場が畳の場合、
回し焼香はご自宅でのお葬式の場合によくあります。
焼香前後の作法
・立礼焼香
- 周りの方に軽く会釈して起立
- 焼香台の数歩手前で僧侶と遺族に一礼
- 焼香台の一歩手前で遺影に合掌+一礼
- 数珠を左手に持ち、香を右手の親指、人差し指、中指の3本でつまみ、目の高さまで上げ香炉に入れる。(回数等は宗派によって異なるので確認しておきましょう)
- 再び合掌
- 最後に遺族に一礼
・座礼焼香
基本的な動作は立礼焼香と同じですが、まっすぐ立ち上がらず、移動の際は腰を落とし、焼香の際には正座します。
・回し焼香
- 香炉がのった盆を回して頂いた方に軽く会釈して、自分の膝の前に盆を置く
- 遺影に向かって一礼
- お焼香
- 再び合掌
- 盆を隣の方にまわす
・線香の場合
- 線香を右手で一本とり、ろうそくの火をつける
- 左手で風をたて線香 の火を消す(息をふきかけないて消さないこと)
- 香炉に線香をたてる
- 合掌する
喪家と自分の宗派が異なった場合場合は、どちらの宗派でお焼香を行ったらよいか迷うと思います。会葬者が多い場合は喪家の作法やアナウンスに従っていただくこともありますが、そうでない場合は自分の宗派の作法でご焼香して構いません。
【故人との対面でのマナー】
故人との対面は、ご遺族からすすめられて行うものです。みずから申し出ないようにしましょう。
- 枕元に近づいて両手をついて一礼
- 遺族が白布をあげたら両手を膝に置き故人に一礼
- 合掌する
- そのままの状態で少し下がり、遺族に挨拶、一礼する。
故人と対面した時は「穏やかなお顔ですね」と一言添え、「心からお悔やみ申し上げます」と続けます。
次は気になるお悔やみの言葉についてです。
いつも戸惑うお悔やみの言葉。間違いのない文例を覚えておきましょう
故人が近親者だった場合、取り乱してしまうのも無理はないです。
ですが、まずは落ち着いて、心をこめてお悔やみの言葉を伝えることが大切です。
難しい言葉は必要ありません。
ご遺族の立場に寄り添い、スムーズに出た言葉の方が誠意を伝えることができるのではないでしょうか。
簡単な文例を覚えておけば安心です。
いくつかご紹介いたします。
基本的なお悔やみの言葉
→全ての方に
【例文はこちら】
「突然のことで言葉もありません。心からお悔やみ申し上げます。」
「この度は誠にご愁傷様でございます。謹んでお悔やみ申し上げます。」
こちらの言葉を覚えておけば、まず問題ありません。
「この度は、誠にご愁傷様です」
慌ただしい受付の時などは、この言葉だけでも充分です。また、どう声をかけていいかわからない時も多いかと思います。
その際は
「心中、お察しいたします」
悲しみの際にはこの言葉で充分です。
他には亡くなられた状況により言葉を選ぶとよりご遺族の立場に寄り添うことができるでしょう。
亡くなられたご状況に配慮して、言葉を変える場合もよくあります。
病気で亡くなられた場合のお悔やみの言葉
→病気でご家族を亡くされた方に(闘病されていた方)
【例文はこちら】
「先日お見舞いに伺いました際は、あれほどお元気でいらっしゃいましたのに、思いがけない知らせに残念でなりません。心からお悔やみ申し上げます。」
また、突然の事故や病で亡くなられた場合は悲しみもひとしおだと思います。
言葉選びにはより一層の配慮を心がけましょう。
事故で亡くなられた場合のお悔やみの言葉
→事故や突然の病でご家族を亡くされた方に
【例文はこちら】
「突然のことで、何も言葉がみつかりません。心よりお悔やみ申し上げます。」
★香典を渡す際には一言添える
香典を渡す際には一言添えたいものです。
あなた→ご遺族側
「心ばかりでございますが、どうぞご霊前にお供えください」
「この度は誠にご愁傷様でございます。謹んでお悔やみ申し上げます。心ばかりですが、どうぞご霊前にお供えください」
ここで注意したい点がひとつあります。
受付で香典返しを受け取ることがあります。
この時に「ありがとうございます。」とは言ってはいけません。
あなた→ご遺族側
「ご丁寧に恐れ入ります。」
この一言を添えて受け取りましょう。
ここまでいろいろとお伝えしてきました。
状況を気にするあまり、なんて声をかけたらいいかわからず、
ただ頭を下げることしかできなかった。
このような方も多いでしょう。
「葬儀のマナーは難しい」「作法を知らないから」
こういった不安があり、上手く立ち振る舞えなくなるのではないでしょうか?
「失礼にならない基本的なマナー」を意識して身につけていくようにしましょう。
次の気をつけたいマナーは、使ってはいけない言葉(忌み言葉)についてです。
忌み言葉
忌み言葉という言葉を知っていますか?
不幸が続くようなイメージを抱かせる言葉で葬儀では使用を避けることがマナーです。
これが、意外にも使っていることが多いのです。
ですが、葬儀は基本的には短い挨拶を交わすのみですので、そこまで気にする必要はありません。
基本的な忌み言葉のみ覚えて葬儀での使用をやめましょう。
死ぬ・死亡・死去の言い換え → ご逝去
「死」という言葉があまりにも直接的なため、ご遺族の悲しみを誘うことから使用は絶対に避けましょう。
【お悔やみの言葉での使用例】
「○○さんのご逝去の知らせを受け驚くばかりでございました…」
生きている頃 → お元気な頃
【お悔やみの言葉での使用例】
「お元気な頃を思い出しては悲しみが込み上げてきます…」
生きる・生存 → ご生前
【お悔やみの言葉での使用例】
「ご生前のお姿を偲び、心よりご冥福をお祈り申し上げます。」
★直接的な表現のため使用しない
自殺、急死など → 急逝、突然のこと
【お悔やみの言葉での使用例】
「突然のことに驚きを隠せません」
★重ね言葉(不幸が重なるをことを連想させる)と重なるイメージを持つ言葉
重ね重ね・くれぐれ・再三・いよいよ・重ねて
再び・ますます・次々・たびたび・またまた・重々・続く・追って
葬儀での会話は形式的なものが中心となりますので、
意識して使用しないことで充分だと思います。
また、縁起の悪い数字として「四」や「九」は使用しないほうがよいでしょう。
★宗教・宗派で異なるお悔み言葉
また、宗教・宗派により用語は異なります。
キリスト教や他宗教の葬儀の場で仏教用語を使用すると、マナー違反となるので注意しましょう。
【お悔やみの言葉での使用例(キリスト教の場合)】
「ご冥福をお祈りいたします」(仏教式)
↓
「安らかな眠りをお祈りします」(キリスト教式)
突然訪れる訃報からのお通夜、お葬式は慌てるのも無理はないですよね。
でも、お世話になった方のご逝去に心からご冥福をお祈りするためにも、マナーや作法に関しては心得ておきたいものです。
静粛な会場では人の立ち振舞は思った以上に見られています。
赤っ恥をかかない為にもポイントを踏まえた基礎知識を身につけておきましょう。
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